2030年本格的な空き家時代到来!
野村総研の調査によると今後の賃貸市場において2030年には本格的な空き家時代が到来するそうです。
同社調査によると2016年度に97万戸あった住宅供給戸数は30年度には4割減の55万戸にまで減少し、特に貸家の供給は43万戸から25万戸まで減少。
2033年の空き家数は2166万戸、空き家率は3割超と本格的な空き家時代が到来すると見込んでいます。
おっそろしいですね!!
賃貸マンション市場もワンルーム系が供給過多気味、ワンルームに住む若者の人口が減る今後に、魅力の無いマンションは満室経営が難しくなるのは明らかです。
マンションの魅力をつくる
10の心得をお届けしています。
今日は その3 アプローチをつくれ! です。
アプローチとは接近するという意味。
建物でいうとアプローチとは道路からマンションの入口までをいいます。
つまりマンションに接近するエリア(場所)を差します。
このアプローチがきちんとつくられているとマンションの魅力は驚くほどアップします。
そんなスペースが無いよ!!
と都内のマンションのオーナーさんは嘆くかもしれません。
しかし僅かなスペースでもアプローチを意識するのとしないのでは建物が完成してから
大きな差になります。
アプローチの役目は外から建物に入る時の気持ちをチェンジさせる場所。
ここでレストランの例え話をします。
あなたはここぞのデートの時 下記のA.Bどちらのレストランに彼女(彼)を連れて行きたいですか?
A.街灯のオレンジの灯りに誘われ、石畳を歩く。
両サイドにはオリーヴの木やサワサワとした植物が迎え木々の香りを楽しみながら店の玄関にたどり着く。
B.道路から駐車場のアスファルトを歩き車を避けながら店の玄関にたどり着く。
はい。どちらでしょうか?
Bはファミリーレストランです。
そしてAがフランス料理の高級感を漂わせたお店です。
ここぞという時にやはり連れて行って欲しいのは女心にはやはりAです。
(だってファミレスに連れていかれたら所詮そのくらいの女か私は・・!)って思ってしまいますよ。そしてそんな相手とはもうそれきりです。
(恋が成就した後は別ですよ・・。ラブラブならファミレスでも天国!)
脱線しました。汗
話を元に戻します。
B(ファミレスタイプ)はアプローチが無いのに対してAはアプローチをしっかり造っています。
マンションも同じです。
大切な入居者にここぞ!と選んで欲しいならアプローチを造りましょう!
でも予算が無い!という大家さん。
あきらめてはいけません。
大切なのは入居者を大切に扱っているかどうかをきちんと形に表すことです。
もし予算がなかったら、簡単にできる方法を伝授しましょう。
たとえアスファルトの駐車場でもその中に入居者が歩く道をつくるのです。
幅1.2メートルでも十分です。
その幅でマンションの入口までをカラーアスファルトにして、車と分離してあげるだけでもアプローチになります。
そしてお勧めなのは、お金を少しかけてもレンガ(レンガ調のタイルやインターロッキングも可)や石で道をつくって両側に植物と照明をいくつか置いてあげることです。
植物は照明によってその魅力がさらに引き立ちます。
さらに
もうひと頑張りできるなら門のようなもので外部とマンションをゆるやかに区分けする結界をつくりましょう。
(結界とは仏教用語で聖域と俗なる世界を分ける境目を言います。転じて外の世界と自分の家であるマンションを分ける境目)
このようにアプローチのつくり方にはいくつかのポイントがありますが、高級料理店に入るような気分をつくってあげると建物自体にはそれほどお金をかけなくても入口だけで入りたい!マンションになります。
弊社が手がけた賃貸マンション La Bella Vita (世田谷区 経堂)は徹底的に外から帰った入居者さんの気持ちの変化を意識してアプローチをつくりました。
イタリアの路地を歩くように石畳をつくり水の音を聞きながら自分の部屋に入る。
仕事のストレスも家に持ち込まずにプライベートは別世界に浸れるマンションとしてオープン後10年たちますが人気のマンションで周辺家賃の1.5倍、10年経ってもウエイティングのあるマンションです。
みなさんも是非マンションづくりの際にはアプローチを意識してください。
今日はアプローチをつくれ!のお話。ドムスデザインの戸倉蓉子でした。
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