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カウンターの作り方で、クリニックの印象が変わる。
受付が患者さんにとって関所のようになっていませんか ?
患者さんがカウンターと待合室の椅子を何度も行ったり来たりする光景も珍しくありません。
こんな時こそ、デザインの力。
カウンターの形状を工夫する事で、おもてなしの受付に変わります。
カウンターの形状がスタッフと患者さんのコミュニケーションをつくる
カウンターの作り方で患者さんとスタッフとの距離が思い通りに計れることをご存知ですか?
例えば、立つスタンドタイプは患者さんとの距離はそう近くありません。
しかし、ホテルのコンシェルジェのように対面して座るタイプはもう少し、親密感が出て、患者さんの距離が近くなります。
このような人間の心理を考えながらデザインをすることが重要となります。
君津のファミール産院さんは、受付が簡単に済む患者さんとそうでない患者さんが混在し、その差が大きいことが問題でした。
スムーズに受付を行うために、スタンドと着席の両方を用意した混合タイプのカウンター形式を導入。
対話の必要な患者さんは着座の受付へ誘導する動線を作りました。
その結果、カウンターの混雑を解消できただけでなく、患者さんのストレスも軽減。
受付を手早く済ませられる患者さんは、待ち時間が短縮でき少し込み入った方の場合は、着席してお互いに目線を合わせてお話ができるため、患者さんの不安を解消することができました。
(ファミール産院君津)
今あるものを転じて、新しい風景をつくる
リニューアルの難しさは、現在の躯体を活かしどうチェンジできるかにあります。
制限も多く特に柱や抜けない壁など欲しくないところにあり、デザインが変わってしまう ということもよくあります。
でもこんな方法なら柱があっても邪魔になりません。
ひらたあやクリニックは以前からある建物をリニューアルしたため 院内のレイアウトに制限がありました。
しかしそこで敢えて、元からある柱を生かすことで、受付を診察ゾーンとリハビリゾーンとに分ける仕切りとして使うことにしました。
圧迫感のある柱は円形にし緑のツタ柄の壁紙で包みました。
柱は仕切りの効用だけでなく部屋全体を明るくするインテリアのひとつとなり、そこに新たな風景を生みだしたのです。
業務の効率化はもちろん、院内全体がさらに明るい雰囲気に包まれています。
(ひらたあや整形外科クリニック)