今日は賃貸マンションのキッチンについて考えてみたいと思います。
賃貸マンションを設計する際に専有部分のキッチンについていつも議論になります。
クローズドキッチンかオープンキッチンか・・・
ガスかIHか・・・
壁につけるか対面式か・・・
様々な議論が繰り広げられます。
キッチンは時代を反映するものです。
バブル期は外食時代。ワンルームマンションは小さなキッチンでよかったのです。
しかし、昨今の問題は入居者となる皆さん(サラリーマン)の年収が上がっていません。
平成26年 国税庁 民間給与実態統計調査(年収ラボ)によると、平成9年を最高に右肩下がり。
平成27年度は男性520万に対して女性270万円、平均すると420万円になります。
参考資料 |
今は20代~30代の若い世代で年収300万に満たない人も多い時代。
このように年収が頭打ちの時代にはあまり外食をせず自宅でお料理するようになります。
そうなるとキッチンに居る時間も長くなり、使い勝手や居心地が重要になります。
ワンルームだからといって、キッチンをおろそかにしてはいけないのです。
お料理をテーマとした賃貸マンションがあっても良いと思いますし
キッチンを部屋の主役にしても良いと思います。
賃貸マンションは時代とともに求められるものが変わります。
今は「おうちごはん時代」。
どうあったら入居者の生活が豊かになるか。
楽しい毎日になるか。
それを考えたマンションづくりが大切です。
【事例紹介】
都内の賃貸マンション Chicca経堂 はキッチンを部屋の主人公にしました。
対面キッチンでカウンターを少し立ち上げ、そこに調味料が収納できるようなニッチもつくりました。
水はねが部屋の方に行かないよう、この30cm程度の立ち上げがとても有効です。
モザイクタイルで仕上ているのでお掃除も楽。
キッチンが中心だとお料理するのも楽しくなる。
新しいレシピを考えたり、お隣さんにお料理のおすそ分けをしたり、オリーブオイルに凝ったり・・・
そんなわくわく賃貸ライフが繰り広げられています。
キッチン自体はシンプルですが周りに立ち上がりや、腰壁をつくってあげるとオリジナル感がでます。