マンションの空室でお困りではありませんか?
2020年を境にして日本のマンション空室率はますます高くなるといわれています。
新築の時は満室経営でも10年経つと空室が目立つようになるのでは当初の計画が狂ってしまいます。
今日はコンセプトのあるマンションについてお話ししたいと思います。
賃貸マンションを計画する方法はいくつかあります。
1つ目は ハウスメーカーに依頼する。(企画商品として出来上がっているものが多い)
2つ目は 工務店(ゼネコン)に設計施工で依頼する。
3つ目は 設計事務所と施工(ゼネコン)を分けて発注する。
4つ目は デザイン事務所に設計・デザインを依頼し施工をゼネコンに依頼する。
さて、1を選んだ場合、商品として仕様が決まっている場合が多く、オンリーワンの個性のある賃貸マンションをつくるのは難しいと思います。
2つ目も今までつくった事例を見せられたりしながら比較的無難なものが出来ると思います。
3つ目はそこそこお洒落なデザインのマンションができそうです。
4つ目は海外ではよくありますが、デザイン事務所を入れる場合です。
私がイタリアで学んだものづくりの主流はこの4つ目の方法でした。
いきなり設計図をひくのではなく、ものづくりの先にある事を延々と議論しながらコンセプトを導きだす方法です。
コンセプトとは思想のようなものです。
賃貸マンションをつくるにあたり、ただ建物を建てるだけなら容積いっぱいにどう建てるかを、真剣に考えればすみます。
しかし、今まで、そうやって造られたマンションが年数が経つと、空室が出て埋めるのに苦労するという事例は数多く見てきました。
コンセプトのあるマンションをつくると、不思議とおなじような価値観を持った入居者さんが集まってきます。
大切に住んでくれます。
ではコンセプトはどの様に作ったらよいのでしょうか。
1,場所柄を考える:都会型か地方型か
2,集めるターゲットを考える:女性か男性か・音楽家向け・ペット愛好家など
3,その人達が喜びそうなイメージを言語化してみる→コンセプトづくり
4,コンセプトを設計に落とし込む→特徴づくり(どんな建物になるか)
5,色彩計画・素材計画・照明計画
6,コンセプトに応じてPRを考える
7,将来において時代にあっているか 陳腐化しないかどうか検証する。
【事例紹介】
渋谷の道玄坂上の土地にオーナーさんが賃貸マンションを計画。
渋谷という土地柄、モダンでアートを取り入れたマンションをコンセプトにしました。
外階段の囲いには天まで登るようなアイアンのアートを入れ 躍動感を出しました。
エントランスは大判のタイルを貼りアクセントの壁とモダンなソファー。
ガラス職人が造るアートがお出迎え。
エントランスの棚にはオブジェを置きウエルカムの気持ちを表しました。
お蔭様で3年経っても満室経営です。
このようにコンセプトからしっかり作ると、オーナーさんのメッセージ性がはっきりするのと同時に、色彩計画、素材・照明計画とずるずると芋ずる式に決まっていきます。
いきなり設計や容積率いっぱいに収めようと考えずまずはコンセプト作りを考えてみましょう。
マンション 空室対策にはコンセプトづくりから。
長く愛され、思うような入居者が集まるコツです。