名古屋の西堀形成外科クリニック。
業務拡大のため同ビル内の広いフロアに移動することとなりました。
西堀先生は日本でも数少ないアザ専門医。
全国から患者さんがやってくる。
診察もあればオペもある。
以前のスペースでは待合室に患者さんが溢れることが多々ありました。
患者さんの待ち時間をできるだけ少なくし、効率良く患者さんを診られるようにするということが最大の課題
同時に子供からお年寄りまで幅広い年代の患者さんが少しでも居心地の良い環境になるように、またスタッフの動きをできるだけ無駄なく効率よくできるか、さらに、今後奥様が女性向けに美容をテーマとした自由診療を拡大したいので女性の患者さんが喜ぶ空間づくりを要望されました。
クリニックの形がほぼ正方形なので、周囲を廊下兼待合として、受付→診察室→処置室と後戻りなく回遊できる導線を設計しました。
こうすることによって中待合が無くても患者さんが目的の部屋の近くで待つことが可能になりました。
外周に廊下(待合)
その内側に診察室。
さらに内側のコア部分にバックヤードと年輪のような層を設けることで、スタッフの動きは小さくなり効率化できる。
インテリアは患者さんもスタッフも居心地の良い空間になるよう工夫。
西堀先生の診察エリアはモダンデザイン、奥様の診察エリアは女性を対象としたエレガントデザインに。
子どもが飽きないためにキッズコーナーを設けました。
まず、ナチュラルをテーマに水が流れているような、アクリルの素材をデザインアクセントとして導入しました。
エレベーターホールでは、エレベーターを降りた瞬間に見えるサイン計画に、透明なアクリル板に裏から照明をあて、クリニックのロゴが浮き出るように工夫。
受付カウンターには、透明アクリルの裏にLEDを仕込んで浮遊感のあるデザインに。
西堀先生の診察室はグレーと白でモダンにアレンジ。
間接照明で緊張感をなくし、床もあえてカーペットタイルを使用。
奥様の自由診療ゾーンはパープルを基調にポイントでベネチアンシャンデリアも使用。
先生の診察室から患者さんがどのくらいお待ちなのかがわかるように、ガラス入りのちょっとした明り取りから、待合場所を観察できるようにしました。
また、先生の診察補助のために看護師が入ってくるドアは、音が極力しないような引戸、物をちょっと置くための棚のスペース、またあらゆるデッドスペースは極力収納を設置して、すっきりとした雰囲気を整えました。
オープンして3か月後、西堀先生からメールが届きました
「なかなか評判の空間です。ドムスさんにお願いして良かったです。白や淡色が基本なので掃除が大変ですが生活感が出ないようにして、なんとか「きれい」を保っています。またいろいろアドバイスをいただけたら幸いです。今後ともよろしくお願いいたします。」
新しい美容分野の患者さんも取り込むことで、連日、全国からこのクリニック目指して患者さんが訪れるようになりました。
単なる増床でなくデザインがそこに関与することで、スタッフにも変化がありました。
クリニックに従事する誇りが生まれ、働く意欲がアップしたのだと思います。
施工年 | 2013年 |
種別 | 形成外科 |
業務内容 | 設計デザイン |
所在地 | 愛知県名古屋市 |